【サッカー人気3位】マチェイ・スコルジャ監督「このスタジアムのマジックが出た …

浦レポ by 浦和フットボール通信

トンネルを抜けアウェー初勝利、これまでの長所と適材適所な調整が見られたゲーム【轡田哲朗レッズプレビュー/J第10節 町田戦】

(Report by 轡田哲朗)

7試合目にしてアウェーで初勝利、傾向が出ている今季の得意不得意

浦和レッズは4月13日のリーグ第10節でFC町田ゼルビアと対戦し、2-0で勝利した。埼玉スタジアムの小規模な改修がありアウェー3連戦でシーズンが始まったことから、開幕10試合のうちホームゲームは3試合のみという変則的な日程になった。そのアウェーで6戦未勝利と苦しんでいたことがトータルの勝ち点にも悪影響を及ぼしたのは間違いのないところだが、ようやくここで勝利を奪うことができた。

これで10試合を終えて3勝4分3敗の勝ち点13、9得点、9失点となった。分かりやすく小数点をつけると1試合平均のスコアになるタイミングになる。何も考えずに「平均」だけ考えることにどこまで意味があるのかは疑問だが、「分散」を見ると得点も失点も3以上の試合はなく、2得点が2試合、2失点が2試合、0得点が3試合、0失点が3試合と、良くも悪くも多くのものが低い数値で安定している。

このゲームに向け、チアゴ・サンタナが登録メンバーから外れて松尾佑介が最前線に入った。また、サミュエル・グスタフソンをダブルボランチの一角に起用して、渡邊凌磨をトップ下にシフトした。チームの中央部に位置する選手たちを少し配置転換したが、相手との噛み合わせも要素にあるにしても、見て明らかなレベルで全体的なチームの機能性を高めることに寄与していた。

これまでの試合のレビューでも触れてきたように、今季の浦和は今のところ「得意とする相手の要素」と「苦手とする相手の要素」が割とハッキリしている。最も得意なのはヴィッセル神戸や鹿島アントラーズのような「ロングボール主体」で「4バック」で「アンカー的な1枚のプレーメーカーを置かない」チームだ。ついでにいうと「ブロックを作って浦和の後方に余裕をくれる」と、もっといい。一方で、最も苦手になっているのは湘南ベルマーレや柏レイソルのような「地上戦での前進が主体」で「3バック」で「プレーメーカーを1枚置く」チームだ。さらに「マンツーマンでハイプレス」だとかなり苦しい。

町田はその組み合わせでいくと「ロングボール主体」で「1枚のプレーメーカーを置かない」が「3バック」という要素を持つ。これはファジアーノ岡山と、前半30分までのアビスパ福岡に似ている。あとはプレスがどこまでの設定でくるかが分からない部分があったが、この辺の対照表みたいな部分は試合の予想をするときに少し参考になるかもしれない。もっとも「4バック」と「3バック」はベタ張りする選手の有無とも言い換えられるので、セレッソ大阪戦は相手が4バックだったものの苦しかったわけなのだけど。

ロングボール対応の良さはそのままに、地上戦も改善はみられる

これまでのゲームでもロングボールへの対応は良い部分が多かった。神戸戦や鹿島戦のレビューでも触れたように、競り勝つかどうかだけでなくセカンドボールに対する配置が良かった。それに加え、マチェイ・スコルジャ監督が「セットアップや構造も大事になる。町田はセカンドボールを拾うためにウイングバックも中央に絞ってくるが、マテウス・サヴィオと金子拓郎もそれに対応するようにした」と話していたように、競り合いの発生する地点と相手選手の間に浦和の選手が挟まっている状態を多く作れたので、セカンドボールを回収する可能性を高めることができていた。

そうなると、町田が3枚を生かして地上戦で回ろうとした時に対するプレスが整理できているかがポイントになってくるが、これは改善された部分が多く出ていた。そこには頑張りの方向音痴になってしまう傾向のあるチアゴから松尾に代わったことの好影響が少なからずあったとは思うものの、片方のサイドを前後させるのではなく両サイドに同じような役割を与える2.5トップ型が今季に入って最もうまく運んだと言えるだろう。

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